December 13, 2005

ハース版・ノヴァーク版

今日、待ちにに待ったブルックナーの交響曲のハース版が届きました。
交響曲4、5、6、7のハース版だけは何とかして手にいれようと思っているのです。

ブルックナーは、自分の作品に対する自信がなかなか持てなかったよう(もちろん皆そうだと思うし、小生、作品には初演後もかなり手を加えますが)でして、人に何か言われたり、気に入らなかったりすると、すぐ手を入れてより良いものにしよう、改訂(改作)しようとしていました。完璧主義者だったのです。悪くいえば、優柔不断と言えるかも知れませんが。。。
そのために、たくさんの楽譜が残っているのです。個人的には上に書いた各曲はハース版がいいと思っています。いろいろ賛否両論あると思うのですが、ハース版の方が美しいというか、キレイなような気がします。ちょっと8番に関しては違う意見ですが。

ノヴァーク版、ハース版とは、


ブルックナー作曲
交響曲第4番
「ロマンティック」
★ノヴァーク版

★ハース版



1800年代末〜1900年代始めにかけて、弟子がオーケストレーションを改訂して出版したものや、大幅にカットされたブルックナーの作品が演奏されていました。(この時代の事は、もっと詳しく掘り下げられるのですが、今回の主眼点ではないので、割愛。)
そんななか、「ブルックナーの作品を本来ある形で出版し、演奏し広めよう」という活動がおこり、ウィーン国立図書館と1929年に設立された「国際ブルックナー協会」が主導となって行い、ローベルト・ハースやオレルの協力によって批判的全集を出版し始めました。そして、ハースの手によって次々と原典版が出版されるようになり、これがが第1次批判全集版(俗称、ハース版)と呼ばれるものなのです。
しかし、前記の通り初稿や、遺稿、しばしの作曲家自身による書き改めがあるために、複雑でした。そして、第2次世界大戦後、レオポルド・ノヴァークにより新しい研究が進められ、第2次批判全集版(俗称、ノヴァーク版)が、出版されました。その後、現在でも、修正稿の研究が進められているのです。
現在、日本で手に入るのは、国際ブルックナー協会版のノヴァーク版です。音楽之友社が、ミニチュアスコアでも出版しています。

ちょっとだけ、その違いを御披露すると、もちろん小節数から違うものも多々とあるのですが、有名曲、交響曲第4番「ロマンティック」、第2稿ノヴァーク版(初稿ノヴァーク版もありややこしいのですが、いまは第2稿ノヴァーク版が国際ブルックナー協会公認です。)とハース(ハース版も2回出されていますが修正なので)の比較を、これは共にブルックナー第2稿といわれる、いわゆる1878/80のもので、1878年に1、2、4楽章を改訂、そして3楽章を作曲、そしてまた1880年に4楽章を改訂したものです。ちなみに、ブルックナー第1稿は、1874年作曲です(これが第1稿ノヴァーク版の元になったものです。)
この2つ(ハース版と第2稿ノヴァーク版)の違いは、アメリカニューヨークのコロンビア大学図書館で新たなブルックナーの楽譜が発見されたことが始まりです。ノヴァークは、これがブルックナーが目指した最終形とし、ハース版に書き加えたりしました。
一番の違いは、第3楽章のトリオ、冒頭がハース版はオーボエとクラリネットによる旋律に対して、ノヴァーク版はフルートとクラリネットという旋律なのです。
他にも、管楽器を加え音を厚くしているのがノヴァーク版の特徴であり、再現等を
分かりやすくするために音形にも変化を与えています。

ブルックナーの真意はどちらか分かりませんが、なにかロマンと夢を感じます。どちらにしても、ブルックナーの本質には大きな影響はないと思いますが。。。
ブルックナーの版の問題。色々と面白いと思います。本当に、いろいろな種類があるので扱いにも、気を付けなくてはなりません。

楽譜を十二分に熟読し、そして、新たな音楽を生成しなくては音楽ではない?
最後にマーラーの名言を一言。ちょっと違う意味ですが、、、
「すべては楽譜に記されている。楽譜にないのは本質だけだ。」

Posted by HS at 03:17 AM | カテゴリ : 音楽(勉強)
Comments
コメントなし
Add Comments
このアイテムは閉鎖されました。このアイテムへのコメントの追加、投票はできません。
Trackbacks
Trackback URL