November 28, 2005

2005/11/25 第36回藝大学生オーケストラ定期(藝大定期第317回)

11月25日、管弦楽器それぞれ専攻の4年生にとっては最後となる学生オーケストラの演奏会が奏楽堂でありました。奏楽堂は滅多に見ることが出来ないくらいの超満員。入場をお断りした人もでたくらいでした。本当にすごい人でした。もちろん、曲が人気曲であるマーラーの交響曲5番(第4楽章のアダジェットは、映画等でも使われた美しい人気曲です。たしかに、綺麗で美しい旋律が魅力的です)、そして指揮者も日本を代表すると言っても過言ではないコバケンこと小林研一郎先生という理由もあると思いますが。

今回も、奏楽堂の収録の仕事。収録(録画)をする責任者?みたいなものでした。「目指せN響!」をテーマに収録したのですが、出来は60点くらい、、、上手くはまったところあり、大失敗をおかしたところあり。でも、なんとか、無事におえることが出来ました。

演奏会(マーラーの交響曲について)の内容は、


1、G.マーラー:交響曲 第5番 嬰ハ短調
マーラーの交響曲について書くに当たって書いておかないといけないことは、マーラは交響曲作曲家としては認めていないということ。
マーラーの交響曲は、曲としての構成力がなく何が何でもつっこんで、マーラー自身には到底できそうにない壮大な世界をつくり出そうとして、失敗に終わっていると言うことです。ブルックナー(ブルックナーの交響曲は構成感、統率感など音楽のどの分野をとっても素晴らしいと言える名曲だと思います)のモノマネ、パクリ、後追い交響曲作曲家。作曲家とは言うに値しない致命的な欠陥を持った作曲家。鍋に、肉や魚、野菜あるもの何やかんや全部ぶち込んでつくった不味いスープのような感じなのです。あとからあとから、構成や何も関係なくいろいろなものを一緒にしてしまって、構成感がない。「始まりが終わりを内包する音世界」「一つの音が次の音へ、そしてすべての音へ」という音楽にとっていちばん重要だと思われるものがない。あっちにいったり、こっちにいったり、構成感がないから、クライマックスがあるようでない。だから、音楽として成立しない。音楽がその場で生まれてこない。
もちろん、管弦楽技法に関しては金管楽器を中心に、木管楽器を含め卓越した管弦楽技法を持っており、拙作もその恩恵に預かっています。これは、ほんとに特出したものがあり、音響的にも音色的にも見習うべき点は多々あります。これについては、機会があったら書きたいと思っています。ただ、曲としては、構成がしっかりできていないので作曲家としては致命的だと思います。小品(例えば、亡き子を忍ぶ歌)だとかは、構成うんぬんという曲ではないので、聴くに値する曲ですが、大曲は構成感がぼろぼろ聴くに値しない致命的な音楽だと思っています。

指揮者チェリビダッケは、マーラについて以下のように述べています。
「グスタフ・マーラーは節度と言うことを知りません。確かに彼は管弦楽法と音響の偉大なるヴィルトゥオーソでした。それで?それが今日彼に与えられた重要性、あるいは周囲が祭り上げているものを正当化することになるのでしょうか? 彼は頭が混乱していました−足と手のあるサナダムシ。自分自身の持っている可能性をはるかに越えたスケールの大きさを求めていました。一度始めると、初めはいいけれど、だんだん止められなくなってしまうタイプの人間。彼には気骨がない、いつも嘘偽りばかり−人非人。交響曲第5番の第1楽章を理解したと言うならば、嘘つきだ−ほら吹き。マーラーなんて私はまっぴらごめん。(「異端のマエストロ チェリビダッケ 伝説的ルポルタージュ」クラウス・ウムバッハ著)」

マーラーについては、小生、ずっと前からかわらぬこの姿勢なので音楽的、演奏がどうのこうのと言うコメントは、なるべく控えたいと思っている。ただ、今回の演奏については、音楽的な全体を通しての感想ではなくて書きます。

管弦楽技法、特に金管楽器の用い方、ホルンを代表とした和音構成をしっかりと構成して音に出していたような気がします。木管楽器も含めた管楽器のバランスと音色構成が見習うべき点が多いものの演奏は多少困難な曲の中、しっかりと音を構築していたと思います。ただ、弦と管(特に木管)のバランスが弦を中心に構成されているのは気になりました。ただ、小林研一郎先生は昔から、弦が強い、弦を主体に考えている音色の指揮者なので、こういうのもありかなというふうに納得はさせられています。
他にも、コバケン節というのか、クライマックス(もちろん、クライマックスもどき)では、すごい迫力を展開していくのは、毎度のことながらすごいなと感心したしまいます。ちょっと走ってしまうのが残念ではあるのだけれども。
演奏は、同学年の人が多い特別編成オーケストラで仲のよい人もたくさんいるので、思い入れがあるかも知れませんが、一生懸命、楽しく、若いエネルギーを保ちつつ。いい演奏がされていたと思います。
本当に、いい演奏だったと思います。迷曲の名演奏だったと思います。

ちなみにコバケンこと小林研一郎先生ののときのお得意?のアンコールがあり、最後の部分がもう一度演奏されました。詳しく言うと、5楽章の練習番号32のアウフタクトからです。
アンコールの時は、本当に楽しそうに延び延びと奏しているような気がしました。

演奏者の皆さん、本当にお疲れさまでした!!!

演奏は、
指揮 : 小林研一郎
管弦楽: 東京藝術大学音楽学部学生オーケストラ
主催 : 東京藝術大学音楽学部・東京藝術大学演奏藝術センター
でした。

Posted by HS at 07:50 PM | カテゴリ : 音楽(鑑賞−演奏会)
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